イクメンという表現が嫌いだ

そんなに頻繁に言われるわけではないですが、育休を取ってるんです、と言うと「おー、イクメンだねえ」などと言ってくれる人はいます。

もちろんそれは育児に熱心な男性、というニュアンスで好意的に言ってくれていることに間違いはないのですが、僕はそもそも「イクメン」という表現が好きではありません。

 

正確に言うと、そんな表現が存在すること自体に違和感を感じます。

だって、女性(母親)に対する同種の呼称はないですから。

育児は女性の役割という意識が根底にあるから、男性が育児をすることがマイナーであるから、「イクメン」という育児をする男性を特別視した呼称が生まれるのでしょう。

 

男性の育児参加を促進するために、行政がそういうキャッチフレーズ的なネーミングを使うことはやむを得ないと思います。そしてそういうキーワードをマスコミが好んで取り上げることも。

それによって男性の育児参加への社会的な理解が広まっているという効果もきっとあるでしょう。

だからこれはこれで男性の育児参加が定着するための必要なプロセスなのかもしれません。

 

人類社会が狩猟や農耕を中心としていたり、あるいは武士など職業軍人が社会の中での多くを占めていたころは父親が外で働き母親が家を守り子を育てるという役割分担が当然だったのでしょうが、多くの仕事で性差が薄れてきた現代では男性の家庭の中での役割あるいは女性の社会の中での役割も必然的に変わってきていると思います。

 

我が家はもともと就職先の総合職同期同士で結婚したこともあり、子どもができる前から家事はできるだけ公平に、というスタンスでした。(私がほとんど料理ができないということもあり実際には妻に負担が寄っていましたが)

育児についても同様に考えているので、父親である私が育児をすると決めたことも自然な流れでした。妻の育児を「手伝う」というスタンスではありません。

 

もちろん、家庭によって父と母の育児への関与度合いは違って当然だと思います。

それぞれの仕事の有無や忙しさに当然左右されるでしょう。ただし、個人的にはそれでもなおイーブンに近いほうが好ましいのではと思います。

だって子供は父と母、二人から生まれたわけですから。

私が育休を取り、育児をしている原点はここにあります。